日本維新の会は6日までに看板政策に掲げる高校授業料の無償化を巡り、与党から譲歩を引き出した。先の衆院選以降低迷してきた党勢を巻き返す足がかりを得たといえそうだ。一方、国民民主党は所得税が発生する「年収103万円の壁」の引き上げに関する与党との協議が停滞しており、政策実現で維新に一歩リードを許した形だ。 「自民の小野寺五典政調会長に私の考えをしっかり述べ、引き続き議論をしていこうということになった」。維新の前原誠司共同代表は6日の記者会見で、小野寺氏との会談の手応えを語った。 昨秋の衆院選後、維新は永田町の政局で埋没していた。吉村洋文代表(大阪府知事)の持論だった夏の参院選での改選1人区の一本化に向けた「予備選」への参加を野党各党に呼びかけたが、冷たくあしらわれた。維新が与党と始めた教育無償化を巡る協議も当初は頓挫するとみられていた。 ■「集大成の仕事」と意気込む前原氏 今回の自民の提案では、私立を含めた完全無償化や学校給食、0~2歳児保育の無償化などの課題は残るものの、有権者の関心が高い教育分野で与党から譲歩を引き出した意味は大きい。 前原氏は石破茂首相にとって永田町で数少ない〝親友〟とされる。自民、公明両党が衆院で過半数を持たない「少数与党」を率いる首相と、苦境の維新を背負う前原氏の利害は図らずも一致する。前原氏は周囲に「自分の集大成の仕事をやる」と意気込む。 これに対し、国民民主が与党と進めてきた103万円の壁の引き上げを巡る協議は足踏みが続く。政府・与党は与党税制改正大綱で明記した123万円から、150万円を限度に引き上げる検討を進めているが、国民民主内には当初から主張する178万円を求める強硬論があり、両者が折り合えるかが焦点となる。 ■国民民主の〝価値〟が下がる可能性 さらに、国民民主は昨年12月に取りまとめた金融所得課税を強化するとの方針がSNS(交流サイト)上で「増税」批判を招き、玉木雄一郎代表(役職停止中)らが火消しに追われる事態に見舞われている。 自民と維新の交渉が前進したことで、与党にとっての国民民主の〝価値〟が下がる可能性もある。自民幹部も「国民民主も焦っているのではないか」とほくそ笑むが、政党支持率が堅調な国民民主は強気を崩さない。党幹部は「好きにやったらいい。われわれの案が通らなければ、令和7年度予算案に反対するだけだ」と言い放った。(永原慎吾)
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