新日本プロレスは2月11日、大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)でシリーズ最終戦となる『THE NEW BEGINNING in OSAKA』を開催した。
『THE NEW BEGINNING in OSAKA』 日時:2025年2月11日 (火・祝) 13:30開場15:00開始 会場:大阪・大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)
観衆:5,502人(札止め)
メインイベントではIWGP世界ヘビー級王座戦が行われた。挑戦者・後藤洋央紀が王者ザック・セイバーJr.を破り、第12代王者に輝いた。
後藤はIWGP世界ヘビー級王座の前身であるIWGPヘビー級王座に8度挑戦しながらも、頂点に手が届かなかった。9年ぶりとなる団体最高峰王座挑戦の舞台は、超満員札止めの大阪。会場を埋め尽くした観客の大声援が、後藤の背中を押した。
試合はザックの徹底した関節技による攻めから始まった。王者は得意のグラウンドレスリングで試合を支配し、後藤の動きを封じ込める。痛めつけられながらも後藤はギブアップを拒否。徐々に攻勢に転じ、強烈なラリアートを叩き込むと、一気に勝負に出た。
終盤、後藤は昇天・改を炸裂させ、さらなる一撃を狙う。ザックも粘りを見せ、ヨーロピアンクラッチで丸め込もうとするが、後藤は耐え抜き、再びラリアートで王者を吹き飛ばした。そして最後は渾身のGTRを決め、ダメ押しのリストクラッチ式GTR改で3カウントを奪取。後藤にとって、9度目の挑戦でついに悲願の戴冠となった。
<試合結果>
▼メインイベント(第9試合) 60分1本勝負 IWGP世界ヘビー級選手権試合 <第11代チャンピオン> ザック・セイバーJr. × vs <チャレンジャー> 後藤 洋央紀 〇 20分07秒 GTR→エビ固め
※後藤が第12代チャンピオンとなる
試合後、マイクを握った後藤は「今日の勝利を、亡き父に捧げます。オヤジー、獲ったぞー!」と、昨年2月に逝去した父への思いを叫んだ。そして、応援に駆けつけた長男と次女をリングに呼び寄せると、「一生に一度のことだぞ。子どもたちよ、この光景よく見とけよ。これがパパが目指した光景だ」と感慨深げに語った。
さらに「この光景が見れたのは、家族のおかげ。そして仲間のおかげ。そして、何よりも俺の後押しをしてくれた今日のお客様方。そして最後に22年間、ここまでやってきた自分自身の体にありがとうございましたと伝えたい」と感謝の言葉を述べると、最後は「後藤革命はまだ始まったばかりだ。最後の最後まで後藤革命について来い!」と高らかに宣言。「IWGPのGは後藤のG!」の大絶叫で大会を締めくくった。
試合後のバックステージでは、早くも次期防衛戦についての発言が飛び出した。後藤は「早速挑戦者を指名したいと思います。棚橋(弘至)社長。俺は王者としてもう一度彼とタイトルマッチがしたい。今の若い世代に見せつけなきゃいけない戦いがそこにはきっとある」と語り、棚橋とのV1戦を熱望した。
すると、そこに現れたのは永田裕志だった。「お前の試合を見るために千葉県東金市東金アリーナからやって来たよ。見事だった。心からおめでとうを言いたい」と祝福すると、「今ここでお前のIWGPベルトに挑戦したい。俺はこのベルトに14年挑戦していないんだよ。このたぎる思いをお前にぶつけなきゃ収まらない」と挑戦表明。
後藤は「もちろんOKです。でも次の挑戦者は決まっているので。その先でいいのなら、ぜひ」と返答。永田は「次のタイトルマッチ、負けないでくれ」とエールを送り、「完璧に準備してくるから。しっかり戦おう」と固い握手を交わした。
王座戴冠を果たした後藤の戦いは、まだ始まったばかりだ。王者としての初防衛戦は、どのような結末を迎えるのか。後藤革命の行方に注目が集まる。
<写真提供:新日本プロレス>