帯広120センチ、「二つの低気圧」で記録的な大雪に…12時間降雪量で全国の観測史上最大を更新

発達した低気圧の影響で、北海道の太平洋側では4日、記録的な大雪に見舞われた。気象庁によると、帯広市では同日朝までの12時間降雪量が120センチに達し、全国の観測史上最大を更新。午後6時時点で、全国約330地点のうち、帯広市を含む7地点で12時間降雪量が各地点の最大となった。

大雪で埋もれた車(4日午後、北海道帯広市で)=原中直樹撮影

北海道太平洋側の大雪は4日夜までに峠を越えたが、日本上空に数年に1度の規模の寒気が流れ込んでいる影響で、5~6日は北海道から九州にかけて、日本海側と内陸を中心に大雪がピークとなる見通しだ。

5日午後6時までに予想される24時間降雪量は多い所で、北陸(新潟県含む)100センチ、東北、東海(岐阜県)80センチ、近畿70センチ、北海道、中国、九州北部50センチ、四国40センチ、九州南部20センチ。

北海道帯広市などで記録的な大雪となったのは、三陸沖にある低気圧から、湿った空気が流れ込み続けたためだ。

三陸沖では海面水温が平年よりも5度前後高い海域がある。三陸沖の低気圧が生み出す南風が、この海域を通って大量の水蒸気を含んだ後、同市などの上空に到達した。北海道などの上空1500メートルには大雪の目安となる氷点下9度の寒気が南下しており、同市上空で湿った風とぶつかり合うことで大量の雪雲が発生した。

一方、日本海側にも低気圧があることで風向きが変わらず、同市周辺で雪雲が発生し続けた。

北海道大の佐藤友徳准教授(気象学)は「近くに二つの低気圧があるとその間は荒れた天気や大雪になりやすい。今回は日本海側の低気圧が長く居座ったことも大雪につながった原因だ」と分析している。

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