植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
2月12日は「スノームーン」とも呼ばれる真冬の満月。今回は、まもなく「最大光度」を迎える明るい金星との共演も楽しめます。
満月や金星が見える方角や、各地の天気について、星空準案内人で気象予報士の筆者が解説します。
満月が見える方角は?天気は??
2月の満月の動き(国立天文台HPを元に作成)。
2月12日の月は、17時頃に東の空から出て、翌朝6時半頃に西の空に沈みます。
17時頃はまだ位置が低く都市部では見づらいのと、まだ太陽が出ている時間帯なので、都心などは日の入り後の18時頃になると見やすくなります。
天気の面では、夜のはじめのうちは関東~東北太平洋側で見えるチャンス、夜遅くになると西日本で雨が上がってくるので雲の切れ間から見えそうです。
今回、観測に好条件とは言えませんが、月に雲がかかると月のまわりに丸い虹のような光が見える「月光環」が見えることもあるので、雨の合間を縫って月のある方角を探してみてください。
金星の「最大光度」とは?
2月12日18時頃の空(国立天文台HPを元に作成)。
金星は、地球やほかの惑星と同じように太陽の周りを公転していますが、地球よりも内側を回っていて、地球から観測すると見た目の明るさや大きさが日々変化します。
2月15日にもっとも明るく見える「最大光度」となり、1等星の100倍以上の明るさになる見込みで、12日もそれに近い明るさで見えそうです。
今の時期の金星は、日の入り後の西の空に見える一番星で、「宵の明星」とも呼ばれます。ちょうど東の空から満月が上がってくる頃に反対側に見える、という具合です。
関東や東北太平洋側など日没後のタイミングで満月が見えそうな地域では、ぜひ反対側の西の空も見てみてください。
また、金星は15日を中心にしばらくの間、かなり明るい状態が続くので、12日に見られなかった地域でも晴れた日には日没後の西の空を探してみてくださいね。
2月の満月はなぜ「スノームーン」?次の満月は??
日本でも近年よく知られるようになってきた毎月の満月の呼び名は、アメリカ先住民が名づけたとされています。
それぞれの月に特徴的な気候や生き物にちなんだものが多く、1月は寒さに飢えるオオカミの遠吠えにちなんでウルフムーン、2月は雪がよく降るからスノームーン、といった具合です。
次の満月は3月14日で、冬ごもりしていた虫(英語でワーム)が春を迎えて土から出てくることから「ワームムーン」。
ちなみに今年2025年3月の満月には皆既月食が起こります。日本では、北日本と関東の一部、それに小笠原諸島で、月が出てくるときに欠けた状態で、だんだん上がってくるとともに通常の満月へ戻っていくのが見えそうです。
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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。